ビジョン・戦略が重要な理由
なぜ、ビジョンが必要なのでしょうか?
どこに向かっているのかが分からなければ、社員も力を発揮できません。そもそもやる気にもなりません。
組織を一つにまとめ、社員たちの力を結集するためにもビジョンが必要です。
魅力的なビジョンは、人々の心を奮い立たせ、惹きつけます。
良い人材を確保し、力を発揮してもらうためにもビジョンが必要です。
ただ、ビジョンがあれば、それでいいかというとそういうわけではありません。
ビジョンで、何を目指しているのかを示せば、それで良いというわけではないのです。
人を魅了し、人の意欲を引き出し、結集させられるようなビジョンをつくる必要があります。
そのためには、ビジョンが単なる目標であったり、単なる将来の姿を描いたものではダメなのです。
人々の心をワクワクさせ、力を発揮させられるようなビジョンにしなければならないのです。
ビジョンを共有するプロセスが大事
また、そのビジョンをどうやって、社員たちと共有していくかということも重要です。
社員たちは、これがビジョンだと紙を渡されても、自分のビジョンだとは思いません。
「ああ、社長がつくったビジョンだな」
その程度の思いでは、せっかくつくったビジョンも意味がなくなってしまいます。
ビジョンを共有するというのは、何かを伝達するのとは違います。単に情報を伝達するだけでは、ビジョンの効果が発揮されません。
ビジョンを活かすためには、単なる情報として共有するのではなく、その思いや情熱も合わせて共有することが必要になってきます。
それを実現するためには、ビジョンを共有するためのプロセスを、しっかり設計しておくことが大切です。
ビジョンの共有というのは、文書で発表しただけで終わるものではなく、もっともっと複雑なものだからです。
ビジョンを実現するためには、戦略が必要
また、こうすればビジョンが実現できるという、戦略も必要です。
「こうすれば実現できる」
「こうすればライバルに勝つことができる」
そう、社員たちが実感すれば、社員たちは仕事に意欲を持って、より積極的に取り組むようになるでしょう。
戦略とは、自分たちの勝ちパターンをつくるということでもあります。
自分たちの得意分野(強み)を活かして、他社にはできないような商品をつくる。他社とはひと味違うサービスを提供する。
そのために何をするか、分かりやすく、実行可能な戦略が必要になります。
良い戦略はそう簡単につくることはできない
戦略づくりの難しいところは、実行可能でありながら、他社には真似されにくいことをやるということです。
これは、相反することを両立させることなので、難しい課題です。
自社で簡単に実行できることは、他社でも実行可能でしょう。それでは、戦略にはなりません。
一方で、自社で実行不可能な難易度の高い戦略ならどうでしょう?
きっと他社に真似されることもありませんが、そもそも自分たちも実行できません。これまたまったく意味がありません。
良い戦略は、自分たちには実行できるけれども、他社には実行しにくいものです。あるいは、自分たちの方が、常に、他社よりも上手にできることです。
そのような戦略は、思いつきでつくることはできません。
ある程度の時間と手間をかけ、経営環境を分析し、社員を巻き込みながらつくっていくことが必要になります。
ビジョン・戦略策定の手順は?
ビジョン・戦略を策定する大まかな手順は次のようになります。
- 経営者がビジョンをつくる
- ビジョンを社員と共有する
- 戦略を考えるために経営環境・自社資源を分析する
- 戦略の方向性を決める
- 実行する社員たちを巻き込んで戦略をつくる