マーケティング・リーダーシップが最強の会社をつくる!
マーケティング・リーダーシップというのは、マーケティングの考え方をベースとして、リーダーとしてチームをまとめていくものです。
「マーケティング・リーダシップ」のように、「マーケティング」と「リーダーシップ」が並ぶと、少し変な感じがするかもしれません。
一見すると、「マーケティング」と「リーダーシップ」はあまり関係ないと思われるかもしれません。
もっとも、「リーダーシップ」は、集団で何かをやるためには、必ずつきものなので、「マーケティング」にも、営業にも関係してくるといえば、関係してきますけどね。
ただ、「マーケティング」というと、お客さんに商品やサービスを売ることをイメージするでしょうし、「リーダーシップ」というと、組織をまとめていくことが思い浮かぶでしょう。
ですから、あまり関係のない、別のものと思われるかもしれません。
確かに別のものなんですが、でも、大きな共通点があります。
「マーケティング」と「リーダーシップ」の重要な共通点
それは、「誰かを動かす」あるいは「誰かを動かそうとする」ということです。
マーケティングなら、お客さんを動かして買ってもらうようにすることですよね。
リーダーシップなら、チームメンバーを動かして、何かをやろうとすること。
やることの中身、性格は違いますが、どちらも、誰かに何かをしてもらおうとするという点では、共通しているのです。
で、これを踏まえて、すべてのリーダー層が「マーケティング」と「リーダーシップ」を学んでいくと、素晴らしいリーダーになれるのではないかと思っているのです。
「マーケティング」は、すべての社員が知っておくべきこと
でも、「マーケティング」というと、一部の人、つまり商品・サービスを売る仕事の人にだけ、関係があるように思われがちです。
具体的にいえば、営業部門とか、そのものズバリマーケティング部門とか、販売促進部門とかですね。
でも、本当に良い会社をつくっていこうと思うのなら、工場や管理部、IT部門など、すべての部門でマーケティングは必須です。
もちろん、担当している仕事によって、どこまで学ぶか、どこまで知っておくべきかは違います。
でも、マーケティングのベースとなる考え方、自社のマーケティング戦略については、全社員が理解しておくべきことだと考えます。
そうなれば、全ての活動が、マーケティング戦略に基づいたものになり、会社全体が顧客志向、マーケティング志向になっていくからです。
「マーケティング」を知ることは、ビジネスの仕組みを知ること
もう少し具体的にいうと、自社のマーケティング戦略を理解しておくということは、自社がどうやって儲けているかを知ることです。
たとえば、富裕層に対して、高いけれども価値の高い高級車を販売しているとしましょう。
「売る」関係の仕事の人は、当然、このことは意識していると思います。
富裕層にふさわしい接客、言葉遣い、広告、CM、店づくり、パンフレット、Webなどなど。
さらに、商品をつくる関係の企画開発、製造部なども、高いけれども価値の高い高級車をつくっていることを意識していると思います。
たとえば、ある部分は、きめ細やかに手作業で仕上げるとか、一つひとつの部品の品質にこだわるとか、自社のマーケティング戦略(富裕層に、高いけれども、価値の高い高級車を販売すること)を意識して仕事しているはずです。
もっといえば、管理部。人事評価制度をつくるとしたら、自社のマーケティング戦略にふさわしい成果を上げる人が高い評価になるような制度をつくるでしょう。
逆にそのようにつくらないと、うまくいきません。
というように、すべての部門が、自社のマーケティング戦略に直接的に関係していたり、間接的に関係したりしているので、そのことをきちんと理解し、意識しておくことが大切なのです。
「リーダーシップ」に「マーケティング」を取り入れる
以上のことは、いかに「マーケティング」が大事かという話で、「リーダーシップ」とはあまり関係がないようにも思えますよね。
でも、ここからがちょっと違うんです。
「リーダーシップ」に「マーケティング」を取り入れることで、チームが活性化するということなんです。
どういうことかというと、リーダーが、メンバーたちを動かそうとするとき、普通はどんなことをしますか?
何をするかにもよりますが、手っ取り早いのは、命令や命令です。
いずれも、リーダーが、メンバーに対して何をやるかを伝えるやり方です。
それはそれで必要なのですが、そればかりでは、メンバーたちの主体性は発揮されません。
メンバーたちが本気になって、主体的に仕事に取り組むようにするためには、それこそ自分の頭で考えて、自分の意思で行動するように仕向ける必要があります。
「マーケティング」の狙いは、お客さんの意思で買ってもらうこと
ここで大事になってくるのが「マーケティング」の考え方。
それは、「マーケティング」というのは、お客さん(見込客)に、自社の商品・サービスを買ってもらうように働きかけるだということです。
といっても、命令して買ってもらうことはできません。
お客さんの意思で、買うことを決めてもらう必要があります。
こちらから働きかけるけど、強制はしない…というか、できない。
それでも、うまく働きかけて、こちらが望んでいる「行動=商品を買う」ということをしてもらうわけです。
この考え方を、通常の業務にも取り入れるのが、「リーダーシップ」に「マーケティング」を取り入れるということです。
社員の意思で、行動するように仕向けるリーダーシップ
つまり、リーダーがいちいち指示・命令するのではなく、メンバー自身が考えて、行動するように仕向けるということです。
ちょっと難しいかもしれませんが、これができるようになると、社員が自主的に行動するようになり、やる気がアップし、創意工夫したり、目標達成にこだわったり、成果を上げるために努力するようになります。
もちろん、ただ黙って見ているだけではそうなりません。
「マーケティング」と同じように、メンバーたちに何らかの働きかけを行い、自主的に考え、行動するように仕向けるのです。
でも、強制したりしてはいけないし、指示・命令してはいけないということです(もちろん、時と場合によりますが)。
強制したり、指示・命令で動かそうとすれば、メンバーたちは自分で考えたり、自分で工夫したりしなくなります。
ですから、うまいこと、メンバーたちがリーダーが望む行動をするように仕向けるのです。
マーケティング・リーダーシップが定着すれば、最強の組織になる!!
まだ、説明不足かもしれませんが、私が考えている「マーケティング・リーダーシップ」というものがどんなものか、イメージできましたでしょうか?
これがうまくいくと、本当に最強の組織になります。
簡単に言えば、マーケティングに強い会社になるからです。
さらに、社員たちが主体的に考え、行動するようになっているので、実行力も高い組織になっているはずです。
マーケティングに強くなり、実行力が高い組織になれば、当然、業績も好調になっていくはずです。
もっとも、実際にこれをやるのは難しいですけどね。
でも、だからこそやる価値があるともいえます。
実現できれば、そう簡単に真似できない強みができるということだからです。
ということで、今後もまた、「マーケティング・リーダーシップ」について書いていきたいと思いますが、今日はこの辺で。