敏腕マーケターへの第一歩
前回の確認:売上倍増を実現するためにやるべき2つのこと
前回、売上倍増を実現するためには、やるべきことが2つあるといいました。
それは、戦略(計画、やるべきこと)を決める実行力を高める
ということです。
売上倍増を実現するためには、今までやっていたことをそのまま繰り返していたのでは不可能なので、やり方を変えなければなりません。それが、戦略(計画、やるべきこと)を決めるということです。
マーケティング戦略を見直すとか、販売プロセスを見直すとか、ビジネスモデルを見直すとか、いろいろありますが、今までとは違う何をやるのかを決める必要があります。
そして、どんなに素晴らしいアイデアでも、実行されなければ絵に描いた餅であるという話もしました。絵に描いた餅にしないためには、実行力を高めなければなりません。
そのためには、社員を敏腕マーケターにする必要があるというお話しもしました。
問題は、どうやって社員を敏腕マーケターにするか?ということです。
そして、それが今日のテーマでもあります。
敏腕マーケターになるのは、簡単そうで難しく、難しそうだが簡単である
一般的な敏腕マーケターというと、世界的に有名な商品をプロデュースするとか、販売キャンペーンを考えるとか、グローバル規模で活躍するような人物を思い浮かべるかもしれません。でも、私がいっている敏腕マーケターは、もっと身近な存在で、誰でもなれるものです。
では、私がいうところの敏腕マーケターとはどんなものかというと、ひと言でいえば、「顧客の目線で仕事ができる」人です。
これは簡単なようでいて実は難しく、難しいけれどもやろうと思えばできることです。
みんなそんなことはできていると思いがちですが、実はなかなかできていなくて、その難しさを甘く見ていることでもあります。
これをやったからといってビジネスが成長したり、売上が倍増したりするとは思われない事ですが、本当に徹底していったら大きな成果を生み出す原動力になるものです。
そして、その気になれば、誰にでもできることなのです。
人は誰でも顧客なので、その経験を活かせば良い
なぜならば、人間は誰でも、どこかでは自分自身が顧客の立場になっているからです。
いつもはコンビニで働く店員さんも、自分がスーパーで買い物をしたり、百貨店に買い物に行ったりします。そうすれば、そこでは自分が顧客です。
いつもは自動車販売会社で車を売っている人も、洋服を買いに行ったり、テレビを買いに行ったり、食料を買いに行ったりします。そうすれば、そこでは自分が顧客です。
というように、誰もが、立場が変われば、顧客の立場になっています。そして、そのとき、いろいろと感じていることがあります。でも、それが当たり前になっていて、特に意識せず、そのまま何も活かされずに終わってしまうことがたくさんあります。
自分が顧客の立場で感じたこと、考えたことを、仕事に活かそうとは考えていないので、せっかくの貴重な体験、意見をそのままどこかにやってしまうのです。純粋に消費者の不満として、ただの愚痴にして終わってしまったりするのです。
でも、その、自分が顧客の時に感じたことをビジネスに活かしていこう、自分の仕事に活かしていこうとすれば、それで敏腕マーケターになれるのです。
敏腕マーケターとは、顧客目線で仕事ができる人
ですから、誰でも私がいうところの敏腕マーケターになることができるのです。
では、その敏腕マーケターとは何か?
敏腕マーケターとは、
顧客の目線で、自社のビジネスを組み立てられる顧客の目線で、自社のビジネスの問題を発見できる顧客の目線で、自社のビジネスの問題を解決できる
つまりは、顧客目線で仕事ができる人だということです。
そして、再び今日のテーマですが、どうやったら敏腕マーケターになれるのか?
その第一歩は何か?
ということです。
どうして、顧客目線になることが難しいのか?
それは、いつでも、どんなときでも、顧客の目線になれるようにすることです。
これは、繰り返しになりますが、簡単なようで難しいことなのです。
できているようで、できていないことでもあります。
なぜ、簡単なのかは、誰でも顧客の経験があるからです。でも、それなのになぜ、いざ仕事となると顧客目線がどこかへ行ってしまうのか?それは、立場が変わると、見方や考え方が変わってしまうものだからです。
人間は自分では意識していませんが、立場によって態度や考え方を変えています。たとえば、家庭では父親であり、実家に帰れば長男であり、会社に来れば店長で、趣味の野球サークルでは補欠メンバー、高校時代の野球部のメンバーと集まれば今でもキャプテン、というように、人にはいろいろな顔、立場があります。そして、同じ人なのに、その場によってその人の言動が変わります。会社では店長なので毅然と支持・命令をしているのに、家庭に帰ると肩身が狭い思いをするお父さん・・・
人それぞれ、いろいろだとは思いますが、場によって態度や考え方が変わっていくということには、きっと、思い当たる節があるのではないでしょうか?
つまり、どんな人も顧客の立場の時は顧客の立場でものをみて、考えているのですが、仕事の場になると、今度は仕事モードですべてを見て、考えるようになってしまうのです。だから、誰もが持っている顧客の感覚を、ビジネスでは生かすことができていないのです。
顧客目線で仕事ができるようになる方法
ですから、顧客目線でものを見て、考えるようにするためには、意識的に転換させなければなりません。特に慣れていないときは、これから目線を変えるぞ!と、意識的に変える必要があるでしょう。慣れてくれば、そんなことをしなくても自然にできるようになると思いますが、最初のうちは、意識しないと変わっていきません。
そこで、顧客目線に切り替えるための手段としてご紹介したいのが、「ごっこ」遊びです。
お客さん「ごっこ」で顧客になりきる
これは、単純にお客さんになりきって、お客さんになったつもりで、会話をしてみたり、考えてみたりするというだけの話です。
営業担当や、接客担当など、顧客と対話する仕事の人は、ロープレをやると思います。
お客さん役と営業役になって、営業トークの練習をするというものですね。
それをやればいいのですが、主役は、営業役ではなく、お客さん役だというところがポイントです。ここでのポイントは、とにかくお客さんになりきって考えて、お客さんになりきって会話をすること。うまく商談が成立するかどうかが問題ではありません。
通常の営業ロープレの場合は、営業トークをきちんと習得することが目的なので、お客さん役もうまく話を合わせてあげたり、台本通り進めたりすると思います。通常のロープレは、それでいいと思いますが、ここでやるのは違います。営業トークを習得することが目的なのではなく、お客さんの立場になりきることが目的なので、ただひたすら、お客さんになりきって、わがまま放題、言いたい放題、やりたい放題やってしまうのです。
そうやっているうちに、だんだん、本当に顧客の気持ちに近づいていきます。いつもは、お店の側、会社の側でものを見て、考えているのですが、これをやっていくうちに、だんだんとお客さんの目線で見て、考えることができるようになっていきます。
お客さん「ごっこ」は、気軽に、リラックスして実施する
何かふざけたことをいっているように思われるかもしれませんが、もちろん、大まじめです。このようなやり方は、マーケティングの消費者心理を探るために行われることでもあるので、ぜひ、やってみてください。
そのとき注意するべきなのは、仕事だからといって、あまりまじめにやり過ぎないこと。
まじめにやることは大切なことですが、あまりまじめにやり過ぎてしまうと、頭が切り替わらず、本当の顧客心理になりきることはできません。顧客の目で見て、考えるようになるためには、少し羽目を外して、ワイワイ、ガヤガヤやる方がいいのです。
気楽に、リラックスして、思わず本音がフッと出てくるというような状態が、頭が切り替わって、新たな視点で発想ができるようになるポイントです。
実践してみよう!~お客さんごっこ
時々、本気で、徹底的にお客さんになりきってみましょう。
そうすると、それまでよく見えていなかったお客さんの目線が見えてきます。
そのときのポイントは、できるだけ、お客さんに近づけること。
態度、立ち居振る舞いはもちろんですが、できれば服装とか、持ち物とか、そういったものもそれらしくしてみるとベターです。
演劇で、その人の役をやるようなイメージです。
本気で演じているうちに、本当にその役になってしまうと俳優さんがいっていますが、その感覚をつくり出すということです。
念のためですが、大まじめにいってますからね。
でも、気軽に、リラックスして、遊び感覚でやってみることも大切です。
ぜひ、やってみてください!