会社を成長させたいなら、社長のモデルチェンジが必要だ!
雇われて働いている会社員は、
最初は平社員で、そのうち係長になり、
課長になり、部長になるというように、
少しずつ役職を上がっていきます。
そして、新たな役職に就くたびに、
役割を変える必要があります。
でも、少しずつ変わっていくので、
大抵は、それにうまく対応していきます。
ところが、創業社長は、最初から社長。
社員一人のときも社長、
社員が10人になっても社長、
社員が50人でも社長、100人でも社長。
ず~っと社長です。
実は、そこに会社の成長を阻む落とし穴があります。
その落とし穴にはまらないようにするためには、
社長のモデルチェンジが必要です。
では、社長のモデルチェンジとは何か?
それが、今日のテーマです。
会社は社長で決まる
コンサルなどをしていると、
やっぱり、会社は社長で決まる!
それを痛感します。
もちろん、良い会社には、良い社員がいっぱいいて、
元気に働いていて、そういう社員がいるからこそ、
良い会社なんだと思います。
でも、それも、結局は、社長がそういう会社をつくっている、
ということなので、
やっぱり、社長で決まるんですよね。
結局、今のその会社の姿は、
それまでに社長がやってきたことの集大成です。
原因と結果の法則なんて本がありますが、
「今の会社の姿=結果」は、
「社長のこれまでの意思決定=原因」による、
っていうことなんです。
もっとも、そんなことは、
社長自身も分かっていて、
すごく意識されている方もいらっしゃいます。
ただ、それが、いい方に行く場合と、
悪い方に行く場合があるんですよね。
社長が頑張りすぎると、悪影響を及ぼすこともある
悪い方に行くというのは、
「俺がやらなきゃ」
「私が責任をとらなければ」
「すべては自分の責任だ」
というような思いが行き過ぎて、
唯我独尊になり、独善的になることです。
そうなってくると、
社長の思いは空回りして、
社員も萎縮することが多くなり、
そのために成長もしないし、
成果も上げられない。
そんな状況になると、
ますます社長の思いが強くなり、
空回りが激しくなる。
その後もそれが続いていく・・・
最悪の場合は、
ドンドン悪循環になっていく・・・
そうならないようにするためには、
社長は、一つずつ、役割を捨てていく必要があります。
会社の成長とともに、役割を捨てる
創業したばかりの頃は、
社長がすべてをやらなければいけません。
何人かのメンバーで始めたとすれば、
うまく役割分担ができるかもしれませんが、
それでも、かなりのことを、
社長自身がこなしていく必要があります。
会社の部署でいえば、
経理、総務などの管理系も社長だし、
営業も社長だし、
企画・開発も社長だし、
工場長も社長だし、
というように、ほとんどすべての業務を、
社長がこなさざるを得ません。
私も創業したばかりの頃、
事務所借りて、名刺自分でつくって、
封筒とか印鑑も自分でつくって、
営業もやって、コンサルもやって、
「こんなにやらなきゃいけないことがあるのか・・・」
と、改めて思ったことを思い出します。
今も、あまり変わりませんが、慣れました(笑)
それはそれとして・・・
最初は、そのようにすべてを一人でこなしていても、
会社が成長するにつれ、
少しずつ、その役割を任せていく必要があります。
もちろん、最終責任は社長ですし、
管理・監督が必要かもしれませんが、
それでも、少しずつ実務からは離れ、
任せていく必要があります。
そうしないと、社長自身が、
死ぬほど忙しくなりますし、
その割には成果が出てこないという
ジレンマに陥ります。
自分から、モデルチェンジするべし
ところが、成果が出ないと、
ついつい、もっと自分が頑張ろうと
してしまうんですよね。
社長の責任感と、
業績を何とかしないと困るという切実な事情と、
いろいろな思いがあって、
もっとやらなきゃってことになるんですよね。
そりゃ、そうだと思います。
でも、その「もっとやる」というところ、
それはとても重要なんですが、
そのまま「もっとやる」のではダメなんです。
会社を成長させたいのなら、
「もっとやる」部分を変えていく必要があります。
社員ができる部分は、社員に任せて、
足りない部分を社長が補完する。
できれば、現状の業務を回すのは社員に任せて、
将来のためにどうしたらいいか、
その構想と、そのための準備に力を注ぐ。
「そんなこと分かってるけど、できないから苦労してるんだよ!」
といわれてしまいそうですが、
やっぱりやるしかありません。
モデルチェンジは計画的に
そのように、難しいことをやっていくためには、
あらかじめ計画して、少しずつ準備して、
準備万端で進めて行くことが大事です。
とはいっても、
何ごとも計画通りにはいかないものです。
でも、計画しないということは、
地図もスマホもコンパスも持たずに、
(もちろんタブレットもPCも)
見知らぬ土地を旅するようなものです。
海外旅行にいくなら、
あらかじめその土地について調べて、
必要なものを用意したりしますよね。
それでも、現地では想定外のことが起こるでしょう。
でも、準備をしておけば、それなりに安心です。
それと同じことです。
育ったら任せるのではなく、育てて任せる
ですから、どうやって、
自分をモデルチェンジしていくか、
あらかじめイメージしておく必要があります。
そして、そのためにやるべきことをやるのです。
たとえば、社員に任せるといっても、
任せられる社員は、自然には現れません。
見込のある社員を、少しずつ育てる。
これしかありません。
少しずつ育てて、育ってきたら、
任せて良いところを任せる。
そうするためには、
ある程度、10年後、20年後の組織図を
思い描いておくことが大事ですね。
あるいは、50人規模ならこう、
100人規模ならこう、1000人なら・・・と、
規模感でイメージするとか。
いずれにしても、
将来の姿を思い描いて準備をすすめていき、
しかるべきときがきたら、
あるところは社員に任せ、自分は一歩引く。
そうやって、創業当時の何でもやる社長から、
本来の社長業に専念できる形を
つくっていく必要があります。
そうしないと、今はよくても、
将来に支障を来します。
最悪なのは、
気付いたときには、対応がすごく、
難しくなってしまうことです。
病気の早期発見が重要なように、
早め早めの対応が安心ですね。